【5月5日】
この日は非営利団体「Fly-Panda(ふらいパンダ)」の活動第一弾、
多賀城市(仙台の隣)でのかすてら炊き出しイベントへ。
GW中にできると思っていませんでしたが、
奥田さんの尽力で現地NPO団体にうまく話しが付き、
多賀城高校で行う被災地応援イベントに便乗することができました。
石巻から移動するため、朝4時半に起床。
相変わらず朝は寒い。
《東松島、仙台市荒浜地区》
「下道で仙台まで行けば、東松島とかが見れる。
あそこも相当ひどい。見ておいた方がいいんじゃないかな」
という奈良さんの提案で、
少しだけ東松島市と、仙台市内でも最大級の津波被害があった
荒浜地区を視察。
東松島。


道が冠水してしまい、これ以上車では進めない…。


二ヶ月経った今も、水没した街。
この街の時計の針は、3月11日から止まったままなのでしょう。
仙台市荒浜地区。


信号機やガソリンスタンド。
普段見慣れたものの変わり果てた姿を見るのは
筆舌に表せないほどのショックです。
事実から目を背けないため、
また被災地への関心を長く持ち続けるため、
たとえ野次馬と言われようとも現場を見ておくべきだと僕も思います。
ただ、必要以上に見るのは本当に精神的に良くないと痛感しました。
僕は南三陸町、石巻、そしてこの2ヶ所を見て、
完全に心の許容量をオーバーしてしまいました。
正直、帰ってきた今でもちょっと精神的にキツイ時があるくらいです。
物見遊山はほどほどにしておくべきだったと反省。
《多賀城高校にて》
気を取り直し、多賀城高校で東京からきたFly-Pandaメンバーと合流。
急な予定だったので車が集まらず、twitterで車を出して下さる方を募集したところ
面識もないのに車の提供を申し出てくれた、トモコ姉さんと初めましてのご挨拶。
他にもお忙しい中、前狭山市議会議員のみうらさんも車を出してくれました。
本当に僕らの活動は、人々の善意で支えられています。
そしてブログやtwitterで培ってきた人脈は無駄ではなかったと実感。
下準備を終えて、イベント開始時刻に。
子どもたちも交えてのかすてらタネ作り。

こんな作業でも楽しいと言ってくれる子どもに感謝。笑
焼き上がりには1時間半ほどかかるのですが…

見よ、このかすてら待ちの大行列!!

焦げ目がつかなくて、ちょっと失敗してしまったけれど…




子どもたちや、被災地の方々の笑顔が何よりのやり甲斐です。
ちなみにかすてら焼き上がりの待ち時間中、
AKB48を踊って場を盛り上げていたら仲良くなった中学生の女の子が
「ダブってるから、あげる!」
と言って板野の下敷きをくれました(感涙)。
なんか色んな意味で一生の宝物ですコレ。
キモいと言われようとも、部屋に飾り続けるぞ俺は。
てゆーか皆さん、被災地の子どもたちと仲良くなるのは
AKBのダンス覚えるのが一番早いっすよ、マジで。
ちょっとした失敗はもちろん沢山あったけど、
1回目の活動としては
「大 成 功 ☆」
と言えるのではないでしょうか!
非営利団体「Fly-Panda」のHPは、いよいよ近日公開予定!
だけど、ちょっとだけフライングして動画を見せちゃいます。
編集してくれたアキラさん(ほぼプロ)、ありがとうございました!
(てか公開OKですよね?まずかったらご指摘下さい。)
http://www.youtube.com/watch?v=fITy7UiWTGw
仙台市内で牛タンを食し、
銭湯に立ち寄ってから石巻のテントサイトへ帰還。
翌日に備えて泥のように眠る。
【5月6日】
さて、昨日とは打って変わってこの日は
誰の笑顔も見れないジミーな泥かき作業です。
炊き出しが沢山の人に「ありがとう」って言われて
笑顔もいっぱい見れる「光のボランティア」だとすれば、
マッドバスターズはまさに「闇のボランティア」。
誰も住んでいない民家を泥かきする時なんかは、
感謝の言葉すらもらえることがありません。
だから何ってわけではないけど、それがボランティアの現実。
ということでこの日は民家というか
今は誰も住んでいないアパートの1階の泥かき。
が、リーダーのNさんが場所を間違え、小一時間ほど
まったく無関係な民家を清掃するというアクシデントに見舞われる。笑

この日のヘドロちゃんはちょっとウェッティ。
すくいやすいけど、重くて臭いが厳しいです。

お隣りでは、重機を操る方々が作業していました。
てっきり公式な行政の方々かと思っていたら、
「いやいや、あれも全部ボランティアの人たちなんだよ」
とリーダーのNさんが教えてくれる。
地元の建設業者が、重機を人員ごとボランティアに提供しているそうな。
結局いま石巻市のこの地区には行政が一切入ってなくて、
交通整理も重機での瓦礫撤去もすべてボランティア。
復興妄想会議とやらが一向に進まず、どの区画を残して
住めるようにするかが決まっていないため、最低限の道やインフラを作ったら
行政の作業はすべてストップしてしまったらしい。
そりゃあ瓦礫の山が一向に減らないハズだよ…。
前途多難とはこのことだ。。
この日は、Nさんの教授で床板剥がしにも挑戦させてもらいました。
「ここに力入れるだろ?んでこうだ!(バコっ!)」
いとも簡単に、1枚10秒程度で床板を剥がしていくNさん。
さっそくオトキタさんもチャレンジ!
「ここに力を入れて、おりゃー!(ベキっ)ああっ?!(ヘドロの海に落下)」
うん、難しいねコレ。。
でも最後の方には少しできるようになったぞ!
床板を剥がす際には、ぜひお申し付け下さいませ(ないと思うけど)。
この日は一軒の家を完了できたので、爽快な達成感。
テントサイトに帰ると、この日からセブンイレブンの移動店舗なるものが出来ていました。

なるほど、これはコンビニエンス。
夕飯は、ボランティアワッペンを見せると
1000円まで無料にしてくれるという粋なサービスをしている「ココ壱」へ。
町ぐるみ、企業ぐるみでボランティアを支える石巻は本当に素晴らしい。
東京でもココイチを食おう。
この日も自衛隊風呂に行き、明日に備えて早めに就寝。
星が死ぬほど綺麗な夜でした。
【5月7日】
いよいよマッドバスターズも最終日。
「今日の民家は絶対に終わらせたいね」
とみな気合が入る。
しかし、向かった先に大ボスヘドロは待っていた。
この民家の正面には、どでかいパルプ工場が。
津波で溶けて流れてきたパルプが、ヘドロと混じって固まり偉いことに。
床下のみならず庭や裏庭、窓の下にまでヘドロとパルプが積み重なっていました。
こちらのお宅では、土曜日ということもあって
民家の方々も総出で泥かき作業。ボランティア含め15人くらいで、
くっそ重いパルプとヘドロの固まりに立ち向かっていく。
昼休み、おじいちゃんが
「すぐとなりにいたばあさんは水に沈んでしまった。
手を伸ばして、足も伸ばしたけど届かなかったんだよ…」
と、津波当日のお話しをポツリ、ポツリとしてくれて。
僕らはただ、ただじっと聞くことしかできなかった。
裏庭からは、園芸に使うはさみや工具が沢山出てきて。
民家の方に見せると、
「それは、隣のおばあさんの形見だ…」
と言って、愛おしそうに泥を落として磨いていた。
なんとしてもここだけは今日終わらせると、決意を新たにする。
そして人間、やればできるもので。
絶対終わらない量だと思っていたヘドロどもが

どかーん。
3、4トンくらいあるんじゃないだろうか…
写真の裏にもまだまだ一杯あります。
「まさか連休中に片付くとは思わなかった。ありがとう!」
という嬉しいお言葉をいただき、
我々マッドバスターズの今回の任務は無事完了。
テントサイトに戻り、丸4日お世話になったテントを撤収。
名残惜しさを全力で感じながら、日が沈む前に石巻市を後にしたのでした。
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以上が、5日間に渡る僕らのボランティアの記録。
長くなったけれど、感じたことや見てきたことを余すところなく伝えたつもり。
僕らがやってきたことは本当に微力かもしれないけれど、
被災地はまだまだボランティアの支援を必要としています。
「足りている」なんて確実に誤報です。
被災地に行くのは、健康な身体とちょっとした行動力があれば誰にでもできること。
少しでも気になった方は、石巻にがっつり人脈を作ってきたので
ぜひ次回ご一緒しましょう。合わせて、Fly-Pandaの活動も宜しく!

we are マッドバスターズ!!