天空で乳繰り合ってるその裏番組で…
やってきましたよ、前々から宣言したトライアスロン!
興奮冷めやらないうちに、記録と記憶を文面に残しておこうと思います。
「トライアスロンってどんなもんよ?」
「ちょっと興味があって、挑戦してみたいかも…」
という人にもご参考になればと思います。
長文になりますが、興味のある方はお進みくだしあー。
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今回オトキタさんが参加した大会は、
館山わかしおトライアスロン
http://tate-tra.com/
大会に関する知識など無論何一つなく、
とりあえずトライアスロンのレース出たいなーと思って探していたら
一番エントリーが近々だったとかそんな理由で決めた大会だったのですが。←
エントリーから3日ほどで締切になる人気大会だったようです。
自衛隊の基地内を走れることや、綺麗な海と風光明媚な景色が人気の理由。
特に申し合わせをしたわけではなかったものの、
大学の後輩いまい君が偶然一緒の大会に出ることがわかり、
道中やホテルなどを呉越同舟することに。
ちなみに館山は千葉の先の方ですが、
当然大会に参加するためには車で自転車を運ばねばならないし、
前日入りしての競技説明会参加が義務になっているなど、
とにかくトライアスロンは出るまでに手間とお金がかかります…。
【スタート前】
朝7時前。
大会会場に屈強な猛者たちが続々と集結。

ああ、帰りたい(偽らざる心境)。
あのですねー、あのですねー。
トライアスロンの大会って、すんげーガチなんですよ。
マラソン大会にありがちなコスプレとか、
明らかに記念参加ですよね?的な体型のおっちゃんとか皆無。
みんなしょぼそうに見えても、脱ぐといい身体してる連中ばっかなの。
そんな人たちが真剣にアップしているわけですから、
嫌が上にも高まる緊張感。バイクも高そうなのばかりだし…。
会場に流れる
「パイレーツ オブ カリビアン」
の音楽がさらに不安を煽ってくる。
そうは言っても、スタート準備まではまだ気持ちに余裕があった。

スタート前に記念撮影。
ああ、でも帰りたry
【スイム1.5km】
自分たちのスタート時間が近づき、
いよいよ浜辺に選手が大集合。
ちなみにこんな感じになります。

うわぁ…。
こんな連中がスタートの合図とともに一斉に海に向かって走り、
押し合いへし合いしながら泳いでいくわけです。
「笑えないくらいフルボッコにされる」
「あれはまさに合法的なリンチ」
「ほぼ100%心が折れる」
という下馬評を聞いていたので、
経験者の後輩2名のアドバイスに従い、共に後方の端からスタート。
…するつもりだったのですが。
「皆があれほど言うケイオス状態を経験せずに、
トライアスロンに挑戦したと言えるのか?」
「むしろボコられた方が、ネタとして面白いのではないか?」
という悪い癖が出て、中央前方にそそくさと移動。
絶望の宴は、ここから始まった。
スタート、ダッシュ、着水、スイム!
…何コレ?
右からは肩タックル、左に寄れば頭突き、
そして正面からは、太い足から繰り出されるかかと蹴りの嵐!
「森崎くんふっとんだー!」
とか愉快な空想ができていたのは最初の2分くらいで、
ゴーグルがぶっとんで外れ、また海水をがぶ飲みしてしまったこともあり
ここで俺は完全なパニック状態に陥った。
何より、周りの人たちがすごい勢いで抜かしていくので、
鬼気迫る感じが本当に怖い。まだ全く疲れるような距離じゃないのに、
呼吸が荒く苦しくなってくる。
なんか、初めて戦場に出たソルジャーが
パニくって実力の1%も出せずに死んじゃうってこんな感じかも…。
本気で死の危険を感じたので、禁断の平泳ぎをあっさり解禁(早っ)。
「落ち着け、落ち着け!」と言い聞かせながら、まずは呼吸を整える。
クロールして、平泳ぎしての繰り返し。
そうこうジタジタしているうちに最初のコーナーが見えてきて、
「あ、もう300メートル進んだんだ!」と思ったところで
ようやく気分が落ち着いてペースを取り戻す。
なお、海のコースは三角形になっていて、それぞれの辺が
300メートル×150メートル×300メートルになっている仕様。
んで1度陸上に上がり、走ってコーナーを回って再び同じコースを泳ぐ。
こんな感じ。
(大会公式HPより拝借)。
「なんだ、一度陸に上がれるんだ。なら一息つけるね!」
と思う方も多いかと思うのですが、
一度陸に上がって再び海に戻っていかねばならないあの絶望感は
デリバリーで全国の皆さまに届けて差し上げたい。
鉛のように重い身体を引きずって、残りの750メートルへとダイブ。
掻いても掻いても、一向に近づいてこない沖のブイ。
地獄というものがあれば、それはきっとここなのでしょう。。
人と押し合いへし合いするのもつらいし、
周りに人がいなくなればそれはそれで不安になるという、
本当にメンタルタフネスが問われる競技で…。
ほうぼうのていで陸地に上がってきて電光掲示板を見ると、
タイムはまだ33分!想定よりかなり早いっ!
(プールで40分だったので、45分以内くらいが目標だった)
いやいや、あたい頑張った。
もう思い残すことはない…胸を張ってゴールテープを切ろう!
〜トライアスロン挑戦記・完〜
【トランジションその1】
わけがない。死にたい。
ここからバイクにうつるのですが、この間に
着替えなどの準備を行うことを「トランジション」と言います。
当然、タイムに含まれるので如何に迅速に行けるかが勝負。

まあー焦る焦る。笑
スイムスーツとか、まずスムーズに脱げない。
ゆえにトランジションエリアでは、様々なドラマや珍事件が発生します。
僕は
「(自転車で被る)メットがねえ!メットがねえ!」
と大騒ぎして周囲を探しまわる隣の選手に
荷物を鷲掴みにされてふっとばされました。
(あとですごい謝ってくれました)
若干気持ちに余裕のあったオトキタさんは、
水で足を洗い日焼け止めを顔に塗る(※)余裕を見せた。
しかし、ここでもう1分をケチったことが後に悲劇を生む。
【バイク 40km】
はい、落第点のバイクです。
これは本当にダメダメで、精神的につらかった…。
ほとんど抜かされっぱなしで、多分、
バイクのタイムだけだったらかなり最下位に近いんじゃないかなぁ。
もう準備不足と、バイクを甘く見ていたとしか言いようがありません。
9割以上の人が専用シューズ着用、色々とチューンナップしたバイクに乗っていく中、
ただのランニングシューズとドノーマルのロードバイクで
必死にバイクのコースを漕いでみるも…。
すごい高そうな自転車に乗ったおじさんに、
涼しげな顔であっさり抜かれていくあの屈辱感たるや(苦笑)。
まあ、乗り方とか練習量とかももちろんあるんですけどね。
買ったの3週間前だしな!
参加者中マジで唯一、サイドスタンドを
つけっぱなしで走るという(軽量化のため普通は外す)
ナメきった態度にも天罰が下ったのか、次々と色々な人に抜かされていき
「そういえば俺って、昔から運動できない人だったし。
最近はなんか調子乗ってたんだよ。もうダメだわ…」
と運動音痴だった中高時代のネガティブ思考まで蘇り、
なんか精神的にすごく落ちて普通に泣きました。笑
果てしなく続くかに思われた40キロを
なんとか80分超で終わらせて再びスタート地点へ。
【トランジション2】
バイクからランへの準備です。
大半の人はここは着替えないので、自転車を置いて
靴を履き替えるだけのターム。
オトキタにいたっては自転車を置いてくるだけだったはずなのですが、
走りだしてから観客に
「ヘルメット!ヘルメット!」
と言われ、メットをつけたまま走りだすという
初心者にありがちなミスをかましたことに気づく。
やっぱなんだかんだで焦ってるんだよなー。
と思いつつ、後に一緒に出場した仲間たちの
5人中3人までもが同じミスをやってることが発覚しましたw
【ラン 10km】
いよいよラストの競技。
「ここまで来たら、這ってでもゴールできるだろっ!」
と思うものの、ツラいもんはツラい!
ていうか、めちゃくちゃツラい!!
とはいえ、3種目の中では
もっとも自信と実績のある競技。
「こちとらガンプラ組み立てながらのフルマラソンで、
ほぼサブフォーの記録もってんだよっ!!」
42.195 〜東京マラソン2008始末〜
http://otokita.seesaa.net/article/84701922.html
と自分を鼓舞し、入りの2.5kmはハイペース(キロ4分〜4分半)で突入。
自転車にお金をかけられない貧乏人は、ここで巻き返すしかないのです!
しかも時計を見てみると、おや、これはもしかして…?
が、威勢よく30人くらいを抜いたあたりで右足に異常。
続いて左足にも異常。やはり、スイムとバイクの蓄積ダメージは半端じゃない。
歩いたり立ち止まったりは絶対したくなかったので、やむなくペースダウン。
同じコースを2.5kmずつ4周するのですが、
単調だし直線は果たしなく長いし、直射日光が照りつけてくるわで
もう後半は意識も朦朧としながら…
ラストスパート!ゴーーール!!
トータルのタイムは…
2時間57分弱!!
いやはや、制限時間内(3時間30分)の完走が目標でしたが
実は密かに3時間は切りたいと思っていたので、
これは素直に本当に嬉しかったです。

ゴール後。
笑顔を作る余裕はナシ…。

一緒に出場した仲間たちと。
全員完走できて、良かった!
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というわけで、なんかもっと色々とつらかった気もするんですが、
トライアスロン始末でございました!
つらさの基準は人それぞれだと思うんですけど、
僕的には過酷さでは
トライアスロン>>フルマラソン>>100キロハイク。
何が嫌って、スイムの恐怖。←
3つの競技のうちで、どれが一番つらいか?というのは気になると思います。
それぞれ違うつらさはあるものの、やっぱりスイムが一番怖かったなー。
正直、あの恐怖だけは二度と味わいたくありません。。
あと、周りの参加者がガチ過ぎること。
あの雰囲気に、初心者は絶対飲まれます。笑
冗談でもコスプレとかできません。たぶん刺されるよアレ。
また肉体的にもやっぱり酷使しますから、
大会中、救急車が沢山きてて、それも普通に怖かったです。
そして何が大変だったって、本番もとってもつらいけど、
ここ一ヶ月間が肉体的にも精神的にもすげーしんどかったです。。
いかに練習時間を確保するか、まさに時間との闘いで。
これ、トライアスロンの一番キモだと思うのですよ。
マラソンって、極端に言えば靴だけあればどこでもいつでも練習できるんです。
でもトライアスロンはそうはいきません。
自転車は夜は危なくて練習できないし、
スイミングプールが開いている時間も限られています。
つまり、残業とかしてたら平日は完全にアウト。
でも仕事は減らない(むしろ増えてた)。じゃあ、どうする??
早朝から自転車乗ってその後に仕事するか、
超早く会社に行ってプールの開いている時間に帰ってくるか。
いずれにせよ、睡眠時間が犠牲になるわけでして…。
ここ一ヶ月間、実は常に眠くて死にそうでした。笑
経営者に人気がある理由も、この辺だと思うんですよねー。
タイムマネジメントが得意とか、自分で自由な時間をある程度
コントロールできる人じゃないと難しいというか。。
あとマラソンは走り終わったら帰って終わりだけど、
トライアスロンは自転車を車に乗っけて東京に戻ってきて、
さらにレンタカー屋から自転車に乗って家まで帰ったりする必要があります。
重い荷物まで付いてきて、本当にバカなんじゃないかと思いました。
こうして列記してみると、本当に金も手間も時間もかかる面倒なスポーツなのですが
その分やりきった感は半端じゃないので、ぜひ皆さんにも一度
何はともあれ、一緒に出場したイマイくんを始めとする
仲間たちに心からの感謝を!1人じゃ絶対に無理でした(物理的にマジで)。
そしてFacebookなどで沢山の応援、いいねをくれた皆さま、
本当にありがとうございました!あの励みがなかったら、
スタート前に帰ってたと思います!
あと1年ちょっとで20代も終わりになりますが、
なんとなく節目になりそうな年に、一つの大業が成し遂げられて良かったです。
そ し て 。
まあ余談ではありますが。
日焼け止め、顔に塗ったじゃないですか。
それすらしない人もいるけど、ほら僕、美容業界の人間ですからね!
だからそこはバッチリだったんですよ。
あとは途中まで曇りだったし、手も届かないし、
時間との闘いの中だからって正直、横着したのは事実だけど。
家に帰ってシャツを脱いでみたら…
恐るべし、トライアスロン!背中いてぇぇぇぇ!!
完全にペイントアートです、本当にありがとうございました。
では過酷イベント恒例の、
あの言葉で日記を締めたいと思います!
もう二度と、やらないっ!!
完
これからも感動を届けていきます。笑