とはよく言ったもので(誰が?)、
這いつくばって勤務してきたオトキタです。水戸に出張ってアンタ。
mixiマラソンリアルタイム更新にたくさんのコメント、
ほんとーにありがとうございました!
さあさあそういうわけで、興奮冷めやらぬうちに
東京マラソンの備忘録をしたためたいと思います!
長いですよー、マラソン並に!
興味ある方だけお先にどーぞ。
途中リタイアは禁止だぜっ!
−−−
【前日】
「何かネタを仕込まないと」
というプレッシャーは感じつつも、日々の仕事と
トレーニングで結局何も考え付かずあっという間に前日夕方。
家に遊びにきた専属トレーナー・佐多や杉山たちと
何をしたら面白いかに頭を悩ます。ここで、
「往復するところの往路でガンプラの箱渡して、
復路戻ってきたところで完成してたら絵的においしい」
というフラッシュアイディアが降臨。
※「ガンプラ」=ガンダムのプラモデル
最初は受け取りと完成の映像だけ撮ってつなぎ合わせる
完全なヤラセ企画のつもりで話しを進めていたのだが、
「どうせやるなら、本気でスタートからゴールまでで
組み立てた方が面白くない?ていうか伝説でしょ!」
という(自分の)余計な一言で、完全なガチ企画に変貌。
いい加減、物事を面白いか否かで判断するのはおやめいただきたい>俺
ちなみにその他、没になった企画群はコチラ↓
・ほんとのチャリティーマラソン
募金箱を持ち、沿道の観衆から募金を募りながら走る
→金銭授受が大会規定に触れそうなので没
・生命の神秘マラソン
卵を持って温めながら走り、途中で孵化させてひよこと共にゴール
→絶対に孵化しないので没
・丸出しマラソン
チンk
→人道にもとるので没
後輩に急遽ガンプラを買ってくるように指示、
彼が抱えてきたお題は↓

「ストライクフリーダムガンダム MG」
が、ガチ過ぎる…
ちなみにガンプラにはHGやMGなどのグレードがあり、
MGはパーツも細かく作成に超時間がかかります。
部品をイチからすべて走行中に組み立てるのは
現実的に不可能なので、主要パーツを予め作っておき
走行中に合体させてゴール地点までの完成を目指すことに。

《マラソン前日とは思えないの図》
家にいるメンバー全員で組み立て作業。
一人で作れば一晩かかるプラモに挑む。
なおこの時、夕方くらいまで
「3時間台を目指しましょう!プラン作ってみました!」
などと誰よりも張り切っていた専属トレーナー・佐多秀介(元陸上部)は、
「アッー!!フラれたー!!」の一言を境に完全に無気力なお荷物と化し、
プラモ作りを横目に見ながら深酒、翌日応援にすらこなかった。死んでしまえ。
結局、プラモが現実的なラインまで完成したのは
深夜の1時過ぎ。翌日は5時起床、つまり睡眠時間4時間以下が確定。
こんな馬鹿なランナーが、未だかつて存在したのだろうか…
果てしなく疑問が渦巻く中、とりあえず就寝。
【集合地点〜START】
時計を忘れて家にタクシーで取りに帰るなどのありがち(?!)な
凡ミスをかましつつ、新宿駅で同じくランナーの菅さんと合流(am7:00)。
本気で準備をしている周囲のランナーに囲まれると、
はっぴ姿でガンプラのパーツが入った巨大ウエストポーチを装備している
自分の姿が完全に浮いていることに気づく。
今回のマラソンのテーマである
「無理せず、無茶せず、ガンプラ作る」
を確認しながら準備運動に励むも、
プラモデルを作ることがすでに無理で無茶だという驚愕の事実。
誰か止めてくれ。
スタートの待ち時間が1時間以上あり、この寒さが最初の難関。
あまりの気温の低さに、陽射しが出るとランナーから歓声が上がるほど。
暇潰しに携帯でメールを送ったり、mixiを見て緊張をほぐしていると
いよいよスタートの時間が迫る…
【START〜5キロ】
スタート位置がA〜Iまであり、自分の地点はH(後ろから二番目)
だったため、スタートテープを切ったのはなんとスタートから10分後!
最初の方はペースが作れないと聞いてはいたが、あまりの人ごみのため
小走り程度のかなりチンタラしたペースで新宿界隈を駆け抜ける。
しかし、歌舞伎町前の靖国通りを大勢のランナーが
駆け抜けていく光景は圧巻。これだけで参加した価値があったと思う。
目標タイムは5時間以内に設定。後半ペースが落ちることを考え、
1キロあたり5分半以内を目安に走っていくことを決める。
人ごみを掻き分け、ペースを作りながら走っていく。
【5キロ〜10キロ】
ようやく人ごみが緩和されてくる。
何せタイムを計りながら走ったことがない(!)ので、
「ペースメーカーが欲しいなぁ…」と思い、自分と同じくらいの
ペースで走ってそうな人をキョロキョロと探す。
とそこで、明らかに陸上経験者な雰囲気かつ容姿端麗、
しかもホットパンツをはいた麗しき女性を発見!
彼女の太腿を眺め続けて完走をすることを即座に決意。
かなり快調なペースで飛ばす彼女。飛び散る汗、揺れる太腿。
おいおい、ちょっとオーバーペースなんじゃないの?ひょっとして途中でご休憩か?!
などと妄想を膨らませていると、なんと10キロ地点で
彼女がコースアウトをしていくではないかっ!
…どうやら10キロの部の参加者だったらしい。早いわけだよそりゃ。。
うーらーぎーりーもーのー(おまえは誰だ)
魅惑の太腿とペースメーカーに別れを告げ、
日比谷公園を横目に再び孤独なレースがスタート。
【10キロ〜20キロ】
まだまだ脚力に余裕もあり、
景色を楽しんでいた区間。
ただし、『はっぴ』という着衣が
「空気抵抗受けまくり、すぐずれる、そして暑い」
という欠陥ウェアであることが徐々に負担になってくる。
そしてガンダムのパーツが入ったポーチも非常に邪魔。
20キロ手前くらいで東国原知事と併走。
なんと会話にも成功しました!
会話内容↓
俺「知事、僕、早稲田です!早稲田祭2002ではお世話になりましたっ!」
東「ああ、どうもっ!(必死)」
…どうやら余裕はないらしい。
ややペースの遅い上取り巻きが厄介な知事をかわし、
銀座を通過してコースは一路浅草方面へ。
【20キロ〜30キロ】
練習で一度も走ったことのない距離に突入。
身体と脳は正直で、
「もう終わりですよ!走るのをやめましょう!」
というサインを全力で出してくる。
本能を押さえ込みながらひたすらラン。
太腿の裏側あたりに鈍い痛みを感じ始める。
25キロ過ぎで前を走っていた菅さんをかわす。
このあたりから
「1キロってこんなに長かったっけ?!」
と思うようになる。
沿道から『あと15キロっ!』って言われて逆にヘコんだり。
はっぴ姿で浅草走ったらテンションあがるだろーなー、
なんて思ってたけど、雷門付近ですでにその余裕はなかった。
コースは折り返し、再び銀座方面へ。
この「往復」が地味にきつい…
【30キロ〜35キロ】
ぶっちゃけ、マラソンなめてた。
左手に握り締めたガンプラと、パーツの入ったポーチが
完全に走行の負担になる。まあ、最初から余分だったのだが…
パーツを組み立てるのが嫌で嫌でたまらず、
部品をポーチから取り出そうとする度に
「よし、ポーチから部品を出す!出すぞー!!
そして組み立てるっ!!付けるんだー!!!」
と念じまくらないと手が動かない状態に。
そこまでして作っているものが芸術作品でも稀代のアートでもなんでもなく、
単なるガンプラという事実を僕はどうしたらいいのか…と自問自答し激しく鬱に。
しかしここまでは、なんだかんだで余裕があった。
沿道の観衆にガンプラを見せびらかすこともできた。
ていうか、そうしないと気づいてもらえなかった。
「魔の35キロ」
「人間の限界は35キロ」
「35キロからが本当のマラソン」
などと称される35キロ地点。
その恐ろしさをわが身をもって体験するとは…
絶望の宴はここから始まる。
【35キロ〜40キロ】
35キロ付近で発見した倉石らの応援団と話そうと
減速した瞬間、下半身に激しい違和感。嫌な予感が頭をよぎる。
下半身の痛みともあいまって、意識が朦朧としてくる。
これはほんと、35キロで突然襲ってきた。
ここで
「運動の真っ最中なのに、お腹が減ってどうしようもなくなる」
という、100ハイですら経験したことのない極限状態に。
身体が切実にエネルギーを欲しているのをビンビン感じる。
ある程度想定してたとはいえ、ペースも急激にダウン。
今まで飲みすぎないようにしていた給水もここからはガブ飲み。
そして本気でありがたかったのが、給水や配給ポイント以外で
食べ物を配ってくれる沿道の一般観衆のみなさま。
特に37キロ付近でおにぎりとみそ汁を差し出してくれた人、
みかんをむいて渡してくれた人には、感謝をしても仕切れない。
あれ、なければ本気で死んでました。この場を借りて、ありがとうございました。
そして38キロ付近で現れる、地獄の上り坂!
見た時の絶望感は、とても言葉では言い表せない。
果てしなく見える登り道。力なく歩く人の群れ。
その光景たるや、まさに死者の行進。ゾンビーのパレード。
レミングスだと思うとちょっと面白いが、それどころではない。
この上り坂で左足に突然の痙攣が起こり、
周りの人が歩いたり止まったりしていることも相まって
激しく歩いて休みたい衝動に駆られる。
しかし、
『どんなにゆっくりでも走り続ける。絶対に歩かない、止まらない』
というのが事前に真面目に決めていた、たった一つのルール。
(ぶっちゃけガンプラとかは最悪放棄してもいいと思ってた)
「まだ3時間台だ。今からゆっくり歩いたってどう転んでも
4時間半でゴール出来るぞ。さあ歩け、休め!さあさあ!!」
という心の誘惑とまさしく死闘を繰り広げていると、
上り坂はやがて下り坂に。いよいよ、ラスト2キロの看板が見えてきた。
【40キロ〜GOAL!】
41キロ地点で、左足が再び痙攣、そして完全につる。
ここまできて、嘘だろっ?!と思わず声に出して叫ぶ。
「動けっ!動けよっ!!」
とガンプラを握り締めた左手で、
がむしゃらに左足を殴り続ける。
すると、なんとっ!
ガンダムの腕がもげた!(死)
ま、それだけ激しくすりゃそうなんだけど。。
拾いにいく余裕はとてもなく呆然としていると、
奇跡的にも左足に感覚が戻ってくる。いけるっ、これはいけるぞ!
俺の左足の代わりにガンダムの腕が犠牲になってくれた、
とか美談っぽく考えてみるも、そもそもガンダムを作ってなければ
脚にそんな負担はなかったんじゃないだろうか…
明らかにローペースになりながらもゴールを目指し、
最後、大観衆が見守る中ラストの直線。
ここでもー、てんやわんや。まず最後のパーツをつけてたら
ガンダムのもう一本の手がもげる。もうこれはあきらめるも、
気づいたら携帯電話がない!パーツ出すときに落とした?!
引き返さざる得ないと思って振り向くと、
なんと後ろを走る人が拾ってくれてた!あなたが神かっ?!
そうこうしてたらもうゴールは目前。
カメラがあるぞ、どうする!とりあえず万歳だ、そして叫べ!
えーと、えーと、、
「ガンダーム!!」
違うだろ。

この時計の時間、
いまだに名残惜しくて消せません。

《完走、そして完成》
−−−
とゆーことで以上、
初マラソン挑戦記録文でした。
まあ普通の人はガンプラ作ったりしないので、
参考にはならないと思いますが…マラソン挑戦を考えている方に
少しでもこのつらさ(と楽しさ)が伝われば幸いです。
タイムを計るなどの練習らしい練習を一切せず、
mixi更新+ガンプラ+はっぴというハンディでこのタイムは
もう予想外で満足の一言。
欲を言えば4時間きりたかったけど、
ハンディがなければ絶対行けたな。
ちなみにウェブサイト速報記録での
5キロ毎のラップタイムはこちら↓
0〜 5キロ 43:57
5〜10キロ 27:01
10〜15キロ 26:09
15〜20キロ 27:12
20〜25キロ 27:11
25〜30キロ 28:18
30〜35キロ 30:11
35〜40キロ 33:16
40〜42.195キロ 14:32
TOTAL 4:17:47
最初の5キロはスタートまでの待ち時間10分強が入ってるので、
公式タイムでは考慮されるはず。はず。
序盤の人ごみでペースが作れなかったのと、
30キロ以降のあからさまなペースダウンが見てとれますな。
それ以外は1キロ5分半くらいでいい感じに走れてるのでは。
「100キロハイクとフルマラソン、どっちがつらい?」
と誰しもが考えると思いますが、多分フルマラソン。
100ハイは痛みだけに耐えれば物理的にリタイアは回避できるけど、
マラソンは痙攣や脱水症状に襲われるプレッシャーが本当に怖い。
完走だけなら100キロハイカーには楽勝だと思いますが、
4時間なり5時間で走ろうとすれば、まったく別の競技と考えるべきかと。
ただ時間の分、足への蓄積ダメージは100ハイのがでかいので、
トータルで考えればどっちもどっちなんだけどね。
ともあれ、ほぼ素人の自分がこんな好タイムで完走できたのも、
本当に沿道で応援してくれた観衆とその声援のおかげ。
なんて奇麗事を言うつもりはなかったんだけど、マジでそう。
はっぴなんて超走りづらくて、おとなしくWASEDA125のブレーカーに
しとけばよかったと途中で後悔しまくったけど、1キロ毎くらいに受ける
「早稲田、がんばれ!」「早稲田祭!!」
という声援が、どれほど励みになったことか。
まあこの辺は、大学にも間接的に感謝。
そして実際に応援してくれた杉山、植松、倉石、ガンプラ協力の川野とカルピス、
ゴール後のジョンと諸藤、一緒に走った菅さん、勇気をどうもありがとう。
って、本当に男ばっかだなオイ!そして佐多は死ね!
あと、ガンプラは難易度高いわりに地味すぎて
ほとんどの観衆が気づいてくれなかったので、
企画としては失敗だったと思いました。
ネタをするときは何事も、見栄え重視でいきましょう。
やっぱり仮装が一番おいしいのよね。
最後に。
mixiフォトアルバムと↓
http://mixi.jp/view_album.pl?id=11255517
このサイトでなんと、オトキタのゴールシーンが見れます!↓
http://www.ntv.co.jp/tokyomarathon/goalmovie/
ゼッケン番号に「40454」と入力し、
右側のゲートをクリックして見て下さい。
ガンプラのパーツ落として引き返して拾ってたり、
よく耳をすますと「ガンダーム!」って叫んでいる
面白動画となっておりますので。うーん、馬鹿。
なんだかんだと、とてつもなく印象的だった初マラソン。
生まれた土地を、眺めて育ってきた街並みを、
横目に見ながら走れるこの快感。
願わくば、近い将来また、
あの脅威の抽選倍率を突破できることを。
でも、
二度とネタはやんない。
応援いけなくてすみません。
100ハイよりきついとは…びっくりです。
でもタバコすってるやつも早いんだよな…